近くで見たいのに・その4
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「しまった。ドアの隙間から廊下に逃げられてしまったな」
逃げられた?
……それとも、見逃してくれたのか?
「とにかく、今日は勝ったぞ!ジーク・ジオン!」
ジーク・ジオン!
……あれっ?俺たち今回は連邦軍ですぜ。
(ナレーター)
こうして、戦場はマツドへと移るのであった。
君は生きのびることができるか?
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「これだっ!ビームスプレーガン……じゃないっ!ファブリーズだ!」
ファブリーズって……消臭剤でしょ?
シシオさん、効くんですか?これ?
「よじろう、お前ならできるさ」
ちっ。気楽にいってくれちゃって。
よしっ!よじろう、いきま~す!
当たれっ!当たれっ!
「当たってるじゃないか。シャアの奴、嫌がってるぞ。
バランサーが狂ったみたいだな」
よ~し、落ちろっ!
「そのままドアに追いつめるんだ!」
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あっ!いましたよ!
シャアめ、ちびマイよりでかいじゃないか!
速いっ!もう天井近くに移動している!
「流石だな。通常のゴキブリの3倍のスピードで這いまわっているな。
みんな、早く逃げるんだ!」
「ほらっ、あんたたち、急いで!」
「ちびマイ、しっかりするんだ」
「いやぁ、こわいっ」
「ちびマイっ!君は強い女の子じゃないかっ!」
う~ん、このままではヤツの思うままじゃないか。
何か武器はないのか……武器は……
「そうだっ!よじろう!」
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(前回のあらすじ)
獅子と熊猫が、ハカタでホテル生活をするようになって、すでに半月が過ぎていた。
ハカタのホテルの一室は、獅子と熊猫の第二の故郷となり、獅子と熊猫は、そこで炊飯器でご飯を炊き、おかずを作り、そして食べていった。
HEI世紀0020(ダブルオーツゥエンティ)、ホテル生活から最も遠いと思われた昆虫、ゴキブリが、獅子・熊猫連邦政府に侵略戦争を挑んできた。この一回目の戦いで、連邦は睡眠時間の半分と穴の空いたズボン一本を無駄に至らしめた。獅子と熊猫は、自らの行為に恐怖した。
戦争は膠着状態に入り、8日余りが過ぎた。

「あ、あそこ!」
「何か動いた!」
「シャアだ。赤黒い彗星だ」
「シャア?兄さん?」
「えっ?ちょっと待て、マイコ。だれが兄だって?」
「あ、いえ、つい。
だってほら、あたしってセイラさんに似てるし」
「お前、ゴキブリが兄弟にいるのか?
それに、全国の金髪さんファンから苦情が殺到するぞ!」
シシオさんっ、師匠、そんなこと言ってる場合じゃないですよ。
あれはシャアだ。シャアが帰ってきたんだ。
ちいっ。この間の戦いで、穴空きズボンハンマーで倒した筈なのにっ!
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「あげてきたわ~」
「でも母ちゃん、本当のことを言った方がよかったんじゃないの?」
「師匠はね、厳しいくらいでなきゃだめなのよ。
師匠がやさしいと、よじろうに油断がおきるからね。
あたしが憎まれ役だからこそ、よじろうだって、がんばって早く独り立ちしようと努力するものなのよ」
「マイコってやさしいよな」
「それに、プリン3つあげるところを一つで済んでるんだから、安いものよ」
「……そういう計算もあるのか」
「当然よ」
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あいつら、いいところあるじゃないか。
とろけるくちどけ、クリームチーズプリンじゃないか。
これって、バラ売りのやつだよな。
わざわざ俺のために買ってきてくれたのかな?
そうか……
師匠はとんでもなく厳しいけど、あのちび達のために、俺もがんばるぞ!
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な、なんだ?ちびたち。
別に俺は泣いてなんかいないぞ。
「よじちゃん、これ」
「あげる~」
えっ?俺にか?
いいのか?もらって?
お前達は食べたのか?
「いいの。ほかのたべたから」
「よじちゃんに食べてほしいんだ」
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ふん。いいんだ。
俺だってこれでも、師匠たちに旨いものを食べてほしくてがんばってるんだ。
彩りだって、言われてみればその通りなんだ。
でも、おれだけ4個入りのプリンだって食べずにがまんして、がんばってるんじゃないか。
もうちっと、やさしい言葉をかけてくれたっていいじゃないか。
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コタ:ただいま~!しょうぶ買ってきたよ。
よじろう:あ!コタ!
コタ:あれ?よじちゃん?もう菖蒲湯やってたの?手回しいいねぇ。
よじろう:え?ま、まあな。
コタ:せっかくしょうぶ買ってきたのに、無駄になっちゃったかなぁ。
よじろう:そ、そうだな。た、高かったんだろうな?
コタ:えっ?5本で1チャリンだったよ。
よじろう:げ。そんなに安いのか?だって、きれいな花が咲くんだろ?
コタ:……よじちゃん、それってあやめとかんちがいしてない?
よじろう:えっ?あやめって菖蒲だろ?
コタ:そうだけど、しょうぶはアヤメとちがうよ。サトイモ科だもん。花、地味だよ。
よじろう:が~ん……し、知らなかった……
コタ:それより、なんかおフロの中がうるさいよ。

「なんだ??今日の風呂、ネギ臭いぞ~っ!」
「よじろうっ!これ、本当に菖蒲湯かぁ?」
「チャリン返せ~っ!」
コタ:よじちゃん、なにしたのよ?
よじろう:……ネギ湯。
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は~い、みんな、並んで並んで!
端午の節句と言えば、菖蒲湯!
香りがよくってアロマテラピー効果があるよ!
その上、血行促進、鎮痛作用の効能があって、腰痛や神経痛にも効くよ!
さあ、みんなで菖蒲湯に入って、元気に夏を乗り越えよう!
熊猫も獅子も、一人1チャリンだよ!

ふっふっふっ。普段は風呂嫌いの癖に、イベント好きどもめ。
これで大もうけだぜ。
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こどもの日と言えば、菖蒲湯だよな。
けど、菖蒲ってたしか、きれいな花が咲くんだよな?
まともに買ったら、高そうだよなぁ。
仕方がない。ネギで代用するか。
細長く切れば、わからんだろ。
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そうか、今日はこどもの日か。
このところ、世界征服が滞っているからなぁ。
ここらで、この家のお調子者達から資金を調達するか。
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「あんたたちと同じ色のショコラよ。それもKABAYAの。
ほしいでしょ?
さっき没収したキャンデーを返してくれるなら、分けてあげてもいいわよ。
えっ?海豹戦隊の見習をクビになる?
大丈夫よ。しろみっちゃんが一番乗り気だから」
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「ちょっとぉ、あんたたち、あんまりじゃないのよ~っ!
きいいいいっ!とうちんっ!絶対残りを払わせてやるからねっ!覚悟なさいっ!」

「あ~あ」
「もっていかれちゃった~」
「マイコ……自分で白状してどうする?」
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「あらぁ、しろみっちゃん、どうしたの?
えっ?後ろのカンを見せろ?
知らないわ。レモンとみかんのキャンデーなんて知らないわっ!」
「ぶっ!マ、マイコっ!」
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「そうよ、ライムは後でいいわ!
レモンとみかんを急いで隠すのよっ!」
「う~ん」
「ちびマイ、がんばれっ!」
「まだ気づいてないぞ!」
「みんな、海豹戦隊が来て、何か聞かれてもしらんふりするのよ!いいわねっ!」
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「ふん、一袋だけなんてしけてるじゃないのよ。
あと11袋分、買ってきてもらうからね、とうちん」
「食べようよ!」
「ちょ~だい!」
「はっ!たしか、この間は海豹戦隊が……たいへん!
みんな、協力してっ!シシオは見張りよっ!」
「あらほらさっさ~!」
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シシオ「あっ!ちびマイっ!大丈夫かっ!」
ちびマイ「ちょ~だい」
シシオ「だいごろうっ!お前、何てことするんだ!こんな小さな子を……」
だいごろう:ち、違うっ、誤解だっ!
ちびシシ「ぼくも入る~っ」
シシオ「ば、や、やめなさいっ!マイコ、お前も止めろよ」
マイコ「むぐむぐむぐ」
だいごろう:あっ!一人で食ってるっ!
シシオ「マイコっ!!」
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さ、これをセットしてっと。
あ、あれっ?ちびマイ?なにやってんだよ、そんなところで!
危ないから出ておいで!
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まったく、テンは無視するし、くさくさするからこの間の仕返しにマイコいじめてやろ。
あいつ、京都で顔から突っ込んで以来、きなこは苦手だからな。
あの後克服したらしいけど、マイコホイホイにきなこと一緒に閉じ込めて、昔のトラウマを思い出させてやろっと。
えっ?いやなやつだって?
そうだよ、パンダだってくさくさするといやなやつになるんだ。
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「ちょっとしろみつっ!あんまりじゃないのよっ!
大体、マン太くんとゴン太くんはいったいなんだったのよっ?
えっ?新人研修?海豹戦隊の?」
「マイコ、ライムキャンデー食べようぜ」
「おいしそ~」
「ちょ~だい~」
「くっ。とうちん。おぼえてらっしゃい。
きっちりライムキャンデー5チャリン10分回収するからねっ!」
「マイコぉ、きっちりとか言わないほうがいいぞ~」
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「ああっ!ちょっとっ!
ゴン太っ!マン太っ!なにすんのよっ!」
「レモン~っ!」
「みかん~!」
「ちょっとしろみつっ!見てないで止めなさいよっ!」
「マイコ、勝ったのはライムキャンデーだから、レモンとみかんは回収だってさ」
「ええっ!なによ、それっ!」
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「これで、まだ3チャリン分なのよ。
配当は5チャリンと10よっ!とうちん、わかってるでしょうね!」
「ん?みぞれちゃん、しろみっちゃん、どうしたんだ?」
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「ま、湿っぽい話はおしまいっ!
今日は京都の6レース新馬戦で、あたしの応援馬が勝ちました!」
「やったなぁ、コンジキノシシオウのいい供養になるよ」
「ライムキャンデーっていう女の子なのよ」
「ふぅん、配当が5チャリン10かぁ」
「けどさ、ライムキャンデーって、なかなかないみたいね。
フルーツミックスキャンデーで我慢してあげるわ」
「おっ、ライムも入ってるな、これ」
「早くあけてよ!」
「ちょ~だい!」
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ぜえぜえぜえ。
余次郎っ!俺の居ない間に、勝手に人の商売を盗るんじゃないっ!!
まったく、油断のならないやつだぜ。
ま、ちょうどいいや。こちとら南極帰りで冷え冷えなんだ。
タダで温まらせてもらうぜ。
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さあ、みんな!今日は冬至だよっ!
冬至といえば湯治が似合うっ!
柚子湯に入ると血行がよくなるよっ!
ひび、あかぎれにも効くし、風邪の予防に最適っ!
身体が芯から温まって、無病息災、無茶な事にも融通が利くようになるよっ!
本日限りの特別サービスがたったの1チャリン!
さあさあ、よっといでっ!
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世界征服には軍資金が必要だって言うのに、これじゃあまったくお話にならないな。
なんとか、手っ取り早く軍資金を稼ぐ方法はないものかなぁ?
あっ!そうだ!今日は冬至だったっけ。
これならうちの中で楽して商売できるぞ!
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大五郎:だから、俺はなにも知らないって言うのに~~っ!
九奈:海豹みぞれっ!反省するまで南極海2、3周してらっしゃいっ!
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九奈:あ、だいちゃん、お帰り。寒かったで……
大五郎:なにが寒かっただ。お前がシベリア送りにしたくせに。
九奈:……だいちゃん。あなた、今日の夕食のチャーシューどうしたのよ。
大五郎:えっ?ええっ?チャーシュー?
九奈:帰ってきて早々、家族のご飯を一人でつまみ食い??
大五郎:ちょ、ちょっと待てっ!俺が帰ってきたときはもうひもしか……
九奈:そんな、そんなに卑しい熊猫だったなんて!
大五郎:そ、そりゃ、シベリアで腹は減ったけど、俺はなにも……
九奈:問答無用よっ!それっ!やっておしまいっ!
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やっと着いたか。
凍えて札幌雪祭りの彫刻パンダになるかと思ったぜ。
九奈のヤツ、冗談ってことを知らないんだから困るぜ。
ああ、やっぱり、我が家はいいなぁ。
適度に散らかってて。
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だいごろう:コタ、なんだ?
またテンがなにかしたか?
コタ:ちがうよぉ。
よじちゃんがセカイセイフクするんだって。
こっそりと。
だから手つだってほしいんだって。
よじろう:声がでかいって!もっと静かにっ!
だいごろう:世界征服?
そんなことしなくても、世界は俺様のものだろ?
コタ:まあまあ、そこをなんとか。
よじろう:お、お前ら、こんな大声で話したら、世間にばればれじゃないかっ!
マイコ:「こらっ!手下三号っ!
マの4号作戦手伝わないで、なにしてるのよっ!」
よじろう:げえっ!ボスっ!
マイコ:「なにいいかげんなことしてるのよっ!
まじめに手伝いなさいよねっ!
あんたの世界征服計画、回覧版で町内に回すわよ!」
よじろう:……もう筒抜けだって。
コタ:ダイジョウブだよ。
だれも気づいてないって。
マツドしみんって、おきらくだもん。
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コタ:あ、来た来た!
くろみっちゃ~ん!
これからセカイセイフクするからてつだって~っ!
よじろう:ば、ばかっ!
そんなに大声で呼んで、どうするんだ!
コタ:えっ?大きな声を出したらダメなの?
よじろう:ダメっ!計画がばれるじゃないかっ!
コタ:ダメ?
よじろう:ダメだっ!もっとこっそりとやるんだ。
コタ:あ、こっそりとか。
よじろう:そう、こっそりとだ。
コタ:こっそりとがトクイななかまもいるよ!
よじろう:なにっ?そいつは使える奴か?悪い奴なのか?
コタ:うん。どっちかというとワルかな?
よじろう:よし、そいつも仲間になるか?
コタ:なるよ。楽しいことが大すきだからね。
だいちゃ~~ん!!
よじろう:げっ、また!声がでかいというのにっ!
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コタ:いいよ。タイグウなんて気にしなくていいよ。いっしょにセカイセイフクしようね!
よじろう:物分りがいいな。ほかに仲間になりそうな奴はこの家にはいないのか?
コタ:バクハツブツのスペシャリストで、悪のシュリョウになりたいって子がいるけど。
よじろう:あ、あの黒いのか。
コタ:うん、今よぶね。
くろみっちゃ~ん!
よじろう:げっ!声がでかいっ!
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よじろう:この辺りは平坦だけど、小さな川がいくつもあるんだな。地の利かぁ。
コタ:あれ?よじちゃん、なにしてるの?
よじろう:しっ!声が大きいっ!それに、だれがよじちゃんだ。
コタ:あれ?マツドの地図じゃん。そっか、セカイセイフクの計かく中だね。
さすがは、セカイセイフクのスペシャリストだね!
よじろう:スペシャリスト……
へへ、ま、まあな。そういえば、お前も世界征服が夢なんだったな。
コタ:うん、なんてったって、セカイセイフクのキソはマツドだかんね。
よじろう:そうだ!お前、俺の仲間になるか?待遇は悪いようにはしないぞ。
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「ん。上出来よ」
なるほど、これがこの町の重要拠点だったのか……勉強になるな。
これは、一時、手下になっていた方が得かもしれないな。
「で、手下一号、各ポイントの現在の状況は?」
「その呼び方やめろよ。
マの1号は大分色づいてきたが、まだ時間がかかりそうだな。
3号の方が、まだ可能性はあるな。
2号は手を出してよいものかどうか、ちょっとわかりかねるな」
「そう……まだ熟していないのね」
う~ん、こいつら、こんなに真剣にマツド征服を……
やはり俺はまだまだ甘かったんだな。
「すっぱいのに手を出してもねぇ」
うん、すっぱい……えっ?なんで甘いんじゃなくて、すっぱいんだ?
「それより、マの4号だな、マイコ。
柿もみかんもすっかりいい感じだったぞ」
「そう!じゃ、マの4号から攻めましょう!
みかんは兎も角、あそこの柿の鉢植えは道路に置きっぱなしだったわよね。
私有地の外にあるんだから、採られても文句はいいにくい筈よ!
木は熟したわっ!」
「かきたべたい~」
えっ??何が熟したって???
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「そうそう、そこの線は短くていいわよ」
な、なんなんだ?この絵は?
「この辺りの重要な道路の地図よ。
そんなこともすぐに気がつかないなんて、ど素人もいいところね」
ど、ど素人……
「あんた、この辺りがどんなところか、下調べもしなかったんでしょう。
古今東西、合戦の行方は地の利を得るかどうかにかかっていることが多いのよ。
もちろん、戦力その他の要因もあるけれど、あんたみたいな少数勢力が多数を相手にするなら、尚の事、地の利を生かさなければ勝ち目なんてないわっ!」
が、が~ん!が~ん!が~ん!
「わかったら、これからあたしの言うところに番号を書き込むのよ」
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「聞いたわよ、手下三号。あんた、世界征服が夢なんですってね」
だから、手下になった覚えはないというのに。
「あんた、機は熟したとか言って、クニを出てきたらしいわね。
マツドを占領するために、ちゃんと戦略を立てたの?」
……い、いや……
「でしょ。マツドなんて片田舎、どうにでもなるって甘く見てたんでしょ。
そんなことだから、緒戦から躓くような間抜けな結果になるのよ。
このままじゃ、何度やっても、同じ失敗の繰り返しよっ!」
くっ……た、確かにそうかもしれん……
「わかったら、さっさと筆をとりなさいっ!
手下の面倒を見るのもボスの役目。
あんたに世界征服のイロハを教えてあげるわっ!」
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チャタ:よっ!茶太郎家へようこそ~っ!
俺がチャタローだ。狭い家だけど、よろしくな。
ダース:い、いや、俺は世界征服のために……
コタ:わあ、キグウだね。コタも世界セイフクがユメなんだよ。
なんてったって、世界セイフクのキソは、まずマツドからだもんね。
くろみっちゃんなんて、バクダンマニアで、アクのヒミツケッシャがユメなんだよ!
ダース:い、いや、だから……
マイコ:「はぐはぐはぐ」
シシオ:「こらっ!マイコっ!お土産勝手に食うな!」
ダース:いや、だから、あの……

こうして、第一二の男パンダ、ダース・パンダー(仮)は、おのれの無力を痛感し、茶太郎家の一員として、世界征服の修行をすることになったのであった。
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「あっ!これってパックン・シューじゃないのっ!
あんた、いいもの持ってくるじゃないのよ」
ふっふっふっ。そうだろ?
俺の支配下に入れば、その中身をお前に……

「ん!えらいっ!!!
気に入ったわ!あんた、見込みがあるわっ!
今日からあたしの手下三号にしてあげるわっ!」
ばっ、馬鹿を言うな。手下だとぉ!?
俺はマツドを征服に……
「遠慮しなくていいわよっ!
みんな~!新しい仲間が増えたわよ~っ!」
「おともだち~」
「おっ、ちびマイ、もうなついちゃったのか。
挨拶もちゃんとできたし、いい子だなぁ、ちびマイは」
おいっ!俺の話を聞けっ!
な、なんで食べ物で陥落しないんだ!?
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この家にはもう他に住人はいないのか?
なんだ、あっさり一件目は征服してしまったかな。
ん?まだ誰かいるのか?

「あれっ?いらっしゃい?
……はじめまして……ですよね?
チャーちゃんの知り合いの人ですか?」
「こんにちは~」
「おっ!ちびマイ!えらいぞ!ちゃんと挨拶できたな」
「あっ!あんたっ!その赤い箱は!!!」
ふっふっふっ。そうだ。察しのいい奴だな。
悪いことは言わん。俺の支配下に入れば……
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食べ物であっさりと降伏したか。
どうやらマツドの市民は食べ物に弱いらしいな。
これは、少し作戦を修正する必要がありそうだな。
それにしても、汚い食い方だな。
だれかまともな食事の作法くらい教えてないのか?
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おい、そこのパンダ柄のお前、今日から俺がこのマツドの支配者だ。
幸せにしてやるから、俺の言うことをきくのだ。
……って、いきなり無視かよ?
おいっ!こっちを向けっ!
……って、目を合わせようとしないなぁ、こいつ。
意志の強い強敵の出現か?それともタダのビビリか?
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俺は武力は好まない。それは、あくまでも最後の手段だ。
武力など使わなくても、俺のカリスマとキュートな魅力で、戦わずしてマツド市民を虜にしてみせるぜ。
手始めに、この家からいくか。
昼日中から玄関開けっ放しで無用心な家だぜ。
こんな家は、あっという間だな。
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ここがマツドか。どんくさい田舎だな。
ちょっと物足りないが、小手調べにはこれくらいがちょうどいいだろう。
ここがマツドと呼ばれるのも、今日が最後だ。
明日からは「パンダ帝国ど田舎字マツド」だ。
いずれ、この地に「世界征服発祥の碑」が建つであろう。
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俺の名は、ダース・パンダー。
中国生まれの船橋育ち。今は原宿住まいだ。
いよいよ機は熟した。
パンダ帝国による世界征服の野望を果たすため、偉大なる第一歩を踏み出すときが来た!
その、栄えある最初のターゲットは、そう、マツドだ!
あるブログで読んだんだが、世界征服の基礎はまずマツドかアサクサかららしいからな。
食料のパックン・シューも準備万端。
腹が減っては戦はできないからな。
しばらくの別れだ!我が秘密基地よ!
行くぞ、マツド市民!歓迎の宴の用意をして待つがよい!
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4.箸やビールを置くと、それらしくなります

あっ!いいな!
みんな何やってるの?
わ~い、コタも入っちゃおっと!
「むぎゅ~~っ」
「く、くるし~っ」
「むりむり~」
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3.吹きこぼれに注意しましょう

「げっ。くろみつっ、お、重い~~っ!」
「しらたまちゃんまで!無理だってば、無理無理!」
「むりむり~」
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2.さらに他のパンダやあざらしが入るのを気長に待ちます

「あら?こだまちゃんとロマンちゃんも来たわよ」
「あったかいからなぁ」
「ロマンちゃんは、もともと温かいところがすきみたいだしね」
「うちのアザラシたちも、なぜか暖かいところがすきだしなあ」
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1.土鍋を並べて、パンダやアザラシ、シシが入って寝るのを待つ

「おっ!この土鍋、あたたかくって気持ちいいぞ」
「ホント、ずっと遠赤外線のおふとんの上にのってたからよ。
ぽかぽかになるわね」
「ぽかぽかぁ」
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「でへへへへ。ちびマイにいわれちゃあなぁ」
「ちょ~だい」
「一つずつ紹介するから、そうしたら一緒に食べような」
「ちょっとっ!あたしには食べさせないつもりっ!」
「そんなにほしければ、たまには『頂戴』ってちゃんといったらどうだ!」
「んぐぐぐぐぐぐ。いただきま~す!」
「やらねえよ」
「んぐぐぐぐぐぐ。ちょ~だい」
「最初からそういえばいいんだ」
「んぐぐぐぐぐぐ。シシオのくせに~~っ!」
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「あっ!おでん缶にら~めん缶!どうしたのよ、こんなに!
シシオ、でかしたわ!いっただっきま~す!」
「あっ!マイコっ!これはダメっ!
これは、俺のはじめてのタイトルコーナー用に取っておいた大事なコレクションなんだっ!
これはマイコでも、紹介してからじゃないとダメっ!」
「じゃ、今すぐ全部紹介しなさいよっ!」
「ダメだいっ!一日ひとつずつ、大切に紹介するんだっ!」
「あんた、シシオのくせに生意気よ!」
「俺はシシオだっ!ドラえもんのキャラじゃないっ!」
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そして、まーちゃんのご飯の時間である。
小太郎の今の悩みは、まーちゃんがご飯を食べながらでないと、運動したがらないという点につきた。
馬体重の管理も、厩務員としての大切な仕事である。
しかし、まーちゃんは食べ過ぎても全く太らない、お得な体質の馬であった。
こうして、厩舎の一日は更けていく。
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運動の後も、厩務員としての仕事が待っている。
馬体の手入れも欠かせない。まーちゃんはきれい好きで神経質な性格だ。
小太郎は、まだ昨日きたばかりのまーちゃんに、すでに単なる1頭の馬という以上の特別な思い入れを持ちつつあった。
自然、その手入れも念の入ったものになった。
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将来の騎手を夢見る小太郎は、厩務員の仕事のほかに、乗り運動も一人でこなしている。
近年の競馬は、坂路の活用により馬を強くする傾向があるが、茶太郎調教師の方針で、まーちゃんはしばらくのあいだ平地での運動に専念させるようにと小太郎は言いつけられていた。
小柄な小太郎は、あぶみに足がかからない。
ハンデを抱えながらも、小太郎は自分独自の騎乗法を身につけつつあった。
後にパンダ乗りとよばれる彼独特の騎乗法は、モンキー乗り一色だった競馬界に、やがて衝撃を持って迎えられることになる。
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茶太郎厩舎の朝は早い。
まだ世の中が深い眠りについている頃、一人の少年が肌寒さを感じさせるようになり始めた秋の馬房で仕事をはじめていた。
その名は小太郎。
将来、牝馬専門の騎手になることを夢見て、父親の厩舎を手伝いながら、馬のことを学んでいるのであった。
彼の世話するまーちゃんは、昨日、入厩したばかりの、茶太郎厩舎期待の新馬である。
将来性を感じさせるスピードと、ぐうたらな性格が相反する牝馬だ。
厩務員としての小太郎は多忙だ。
まずは馬体に異常がないかをたしかめると、朝の運動のために馬具を装着していく。
まだ小さな小太郎にはこれだけでも重労働なのだった。
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「だいちゃん、悪いわね。いっただっきま~す!」
「だいちゃん、これ、ちびマイにちょ~だい」
「……」

「いっただっきま~~す!」
「ちょ~だい」
「……ちょ~だい」
コタ:ねえ、ちゃ~ちゃん。
ちびマイちゃんは、シシちゃんとマイちゃんがちがうことを言ったら、
シシちゃんのマネをすればいいって、おぼえたみたいだね。
よかったねぇ。
チャタ:まっすぐな子でよかったな。
マイコが二人もいたら、大変だからな。
「ちょっと、どういう意味よ」
「そういう意味だろ」
「ちょ~だい」
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「ちょ~だい」
どうぞ、ちびマイ。ちゃんと正しく言えるようになったな。えらいぞ。
「ちびマイ、いい子だぞ。覚えが早いなぁ」
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「いただきま~す」
「いただきま~す」
「いただきま~す」
「そうそう、ちびマイ、その調子よ」
「いいぞ、ちびマイ。だいぶ覚えたな」
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「いっただっきま~す!」

だい:あっ!マイコっ!これは俺のキットカットだぞ!
なにが「いただきます」だっ!
マイ:「うっさいわね、ダイちゃん。
あたしが見つけてツバつけたんだから、あたしのだからね。
自分の物を食べるのに、『いただきます』のどこが悪いのよっ!」
コタ:ねえ、ちゃ~ちゃん。
ちびマイちゃんは、マイちゃん後ろすがた見て学習してるんだね。
えらいね~。
チャタ:元凶はあれか……
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なあ、マイコ。
ちびマイはまだ小さいからいいんだけどさ。
それに、ちゃんと「いただきます」って言ってるしな。えらいよ。
でも、こっちが食べようと思っているところに、いきなり「いただきます」はちっとびっくりするぜ。

「へんねぇ。
人におねだりするときは、『ちょ~だい』って言いなさいって教えてるんだけど……
また教えとくから、長い目で見てあげてね」
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「いただきま~す」

おっ!ちびマイじゃないか。今日は一人か?
ジュース飲みたいのか。じゃ、今、開けてやるからな。
俺は別のがあるから気にするな。
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お前かっ!お前か、マイコ!
ベーコンのごみまで引っ張り出して、テンの仕業に見せようなんざ、犯行が悪質すぎるぜっ!
テンよ、やっぱりお前を端から疑わなくってよかったぜ。

「いたたたたた!なにすんのよっ!」
「俺たち、通りかかっただけだぜ。誤解だよっ!誤解っ!」
マイコ、まあ落ち着け。カリカリはおいしかったか?
「ちょっと魚臭かったわ」
やっぱり食べてるじゃんかっ!現行犯逮捕っ!
「ちがうわっ!今ちょっと興味本位で一つだけかじっただけよっ!」
「……マイコぉ、まぎらわしいことすんなよぉ」
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ふああああ、そろそろ三十分か。
こまめに帰ってくるやつだから、そろそろだと思うが……

あれっ?シシ・マイじゃんか。
あいつらもおしおきに来たのか?
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ふああああ。よく寝たぜ。
今日はテンのやつ、朝、騒がなかったな。
ご飯も食べずに外に遊びにいっちまうなんて、めずらし……

げげっ。またやられた。
チキンラーメンはきっちりしまっといたんだが……
カリカリのどてっぱらにこんな大穴開けやがって。
いやいや、テンだとは思うが、いきなり疑うのは教育上よくないよな。
やはりこれは現場を抑えた上で、このダイちゃんが月にかわっておしおきよっ!
って、自分でも気持ち悪いわ。
こういうのはシシオの役だな。
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「おいしいわねぇ。ソフトはうち一番の人気だもんねぇ」
「あのぉ、マイコ……」
「あっ!そういえば、もうすぐホワイト・デーね。
ホワイト・デーの前からこんなに景気がいいんだもの、今年は期待できそうね、シシオ!
楽しみにしてるわよ!」
「……うん、期待しててくれよな」
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「あら、シシオ、帰ってたの?
あ!それは!」
「あ!マイコ!
いや、これは、その」
「流石ねシシオ、気が利いてるじゃないのっ!
栄久堂のソフトなら、みんな大好きだもんね。
ねえ、コタ!みんな!シシオがソフト買って来てくれたわよっ!」
「あ、あの、これは……」
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「そうだ、応接間になってる、入り口の和室!
ここなら、今、テンに荒らされたら困る食料の貯蔵庫になっていて、みんなたまにしか出入りしないから、見つからないだろ。
いいとこがあってよかったぁ」
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「ホワイトデーのお返し、いつも、直前になって大慌てで探しているからな。
今年はちょっと早めに用意できて良かったぜ。
栄久堂のソフトなら、マイコも好きだし、チャシママも気に入ってくれるだろうな。
クッキーじゃないけど、いいよな?
まだ日があるから、どこかに隠しておかないと。
どこがいいかな?」
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みんな、今日は冬至名物、ゆず湯だぜ。
悪いけど、元手がかかってるんで、1チャリンずつよろしくな。
おっ!コタとコサとココは子ども料金でいいぜ。

「ゆず本物100%?……あこぎな……」
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皮はおれが片付けてやるぜ。いつもからかってばかりじゃ悪いからな。

「う~ん、もう食べられないわ。幸せ~」
「お前、やっぱりなにか企んでるだろ?」
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マイコ、となりからたくさんみかんもらってきたぞ。食べきれないくらいあるから、遠慮しなくていいぞ。

「あらっ?ほどよくすっぱくておいしいわ。あんたって、ほんっとにいい熊猫よね」
「いい熊猫?おまえ、またなにか企んでるだろ?」
「いいのよ。企てがあろうがなかろうが、私はおいしいものが食べられれば幸せなのよ」
「……懲りないなぁ。マイコも」
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あ、出た。

「うぬぬぬぬぬ。あんたって、本当に根性ひねてるわね、ダイちゃん」
「マイコは根性に毛が生えてるなぁ」
「それを言うなら心臓でしょうが」
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マイコぉ、ほ~れ、キットカットの新作、クリスピー秋物語マロン風味だぜぇい!
キットカットなのに、回りのチョコを脱いじゃったっていう、ちょっとあれ~んな一品だぜ。
早く出てこないと、食べちゃうよ~ん!

「マイコぉぉぉぉ、無事か~~っ!」
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「きゃ~っ!キットカットの北海道小豆味だわ~っ!
ダイちゃんが買ってくれたのね~!
やったわ~!」
「やったわって、マイコ、これってすっごく古典的な仕掛けがしてあるけどいいのか?」
「いいのよ。おいしければなんでも。
ごちそうになるんだから、すこしはダイちゃんにも楽しませてあげないとね。
いっただっきま~す!」
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「よ、よかった、マイコ、出られて。
だいごろう、お前、やっとわかってくれたんだなっ」

「あんたっ!なんてことするのよっ!
早く飴の所に戻しなさいよっ!
まだ一個も食べてないのよっ!
いぢわるっ!」
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へっへっへっ、そ~らんあれま。だいごろうだよ~ん!
閉じ込めちゃうもんね。

「やっぱりお前か!いい加減に同じ手でマイコをからかうのやめろよなっ!」
その前に、同じ手にひっかからないように注意してやれよ。
「注意してもひっかかるんだよっ!マイコはっ!」
「あ~、しあわせ~っ!飴、おいしそ~~っ」
「え゛っ!?」
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「シシオっ!あんなところに飴があるわよっ!」
「え?あの手のものって、なんかあやしくないか?」
「あやしくってもいいのよっ!台になりなさいっ!台にっ!」
「そりゃ、いいけどさぁ」
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「きゃ~っ!暗い~~っ!」
「こらっ!やっぱりそういう魂胆かっ!」

そりゃま、一応、お約束ってやつだろ。
「やっぱり、お前はそういう奴なのか~っ!信じた俺が馬鹿だったぜ!
その手を離せよ~っ!マイコが可哀想だろうが~っ!」
「シシオっ、あんたが重いっ!」
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ほらよっ!シシオ、マイコ。ちゃんとお前達に残しておいてやったぞ。キットカットの新作。
そういや、お前達と同じ色だな。
ちょうどよかったじゃないか。
ありがたく食せよ。

「やっぱり、あんたって、本当はいい熊猫よね」
「見直したぜ。俺は」
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「まんまと一億円、せしめたぜ」
「これ、10Kgもあるわよ。運べる?」
「こういうときのために、とうちんがいるんだ。おい、手下2号、出番だぞ」
「あいつのろまだから、ちょっと心配ね」
「なあに、サツが来ても、獅子は裁けないぜ」
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「こんなカギ、獅子の霊力をもってすれば、あっという間だぜ」
「開いたら、ごはんたくさん食べられるわね」
「もうちょっとだぜ」
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「どうだ、まわりの様子は?」
「私達に注目している人はいないわ」
「よ~し、あそこは古くからある銀行らしいからな。やるぞ、金庫破り」
「作戦は計画的に、よね」
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げえっ。いつの間に…

「ダイちゃんも迂闊ね。
私がこたたまにっきをチェックしていないとでも思ってるの?」
「ダイちゃん、たのむから、これ以上マイコを太らせないでくれよぉ。
マイコが、マイコホイホイから出られなくなったらどうするんだよっ!」
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ようし、できたぜ。ちょろいちょろい。
さぁて、どこにセットしようかなぁ?
今、引っ越しでごみためみたいになってるからな。あ、いつもか。
かえってセッティングしにくいなぁ。
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ダイゴローだよ~ん。
チャーちゃんも迂闊だな。
このオレがこたたまをチェックしてないわけないじゃん。
早速入手したぜ、マイコホイホイ詰め替えセット。
これでまたシシ・マイをからかって、引っ越しの疲れた空気を吹き飛ばしてやろっと。
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「マイコぉ、同じ手にまた引っかかったのかよぉ」
「何言ってんのよっ。あんたを助けようとしてひっかかったのよ!」
「んで、何してるんだよ」
「だから、脱出するには体力が必要じゃない」
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ダイちゃんだよ~ん。
へっへっへ、そーらんあれま、って誰か突っ込んでくれよなっ。

「ぎゃ~っ!なにすんのよぉ!」
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「マイコぉ、しろみつちゃんとゆきみつちゃんがお土産だってさ」
「えらいわっ。くろみつちゃんが教育したのかしら?
あんたたち、私の子分にしてあげるわっ」
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「マイコぉ~っ!今、助けるからな~っ!
もう少しの辛抱だぞ~っ!」
「なによぉ、シシオ、うるさいわね。
一個しかなかったんだから、あたしのよっ」
「閉じ込められてんの、気がつけよ~っ!
食欲以外の本能あるのか~っ」
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「とうちんもなあちんもパソコンつけっぱなしで何処行ったのよぉ?
何か食べさせなさいよぉ。
あら?なにかしら?あれ?」
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