後は冷凍保存

それで、鮮度保存パックに入れて、冷凍保存します。
豚肉と一緒に煮ると美味しいらしいですよ。
料理にはまだ使っていないのですが、シシマイファミリーが帰ってきたら、
コタにつくってもらいましょう。
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それで、鮮度保存パックに入れて、冷凍保存します。
豚肉と一緒に煮ると美味しいらしいですよ。
料理にはまだ使っていないのですが、シシマイファミリーが帰ってきたら、
コタにつくってもらいましょう。
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はい。2日ほど干したら、こんな感じになります。
水分はほとんどなくなって、カラカラです。
茄子の天日干し、完成しました。
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この間の茄子の天日干し、うまくいきましたよ。
でも、干しただけで、その後の報告を忘れていました。
そうしたら、茄子の天日干しのその後はどうなったかって、
こたたま読者の方に聞かれたんですけどね。
まぁ、だから、もう一回やってみることにしました。
こうして2日ほど干します。
後は、お日様の力にまかせて、待ちます。
では、また2日後にお会いしましょう。
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せい:こうやって、2日ほど天日に干して、後は冷凍保存するんです。
栄養価も増すらしいですよ。
コタ:チャングムちゃんの、手間とまごころってやつだね。
せい:後は、お日様にお願いして、無事を祈るだけですね。
コタ:あ。そういえば、このカゴ、タッタくんのお気に入りと、
シロちゃんのネドコなんだけど
せい:げ。
コタ:それと、テンちゃんにおしっこかけられないといいね。
せい:げげ!コタ、不吉なことばかり言わないでくださいよぉ。
ハーブのネットでやればよかったかなぁ。
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コタ:せいちゃん、言われたとおり、ナスを切って,塩水でアクをぬいてきたよ
せい:ありがとう。コタ。
せっかく、とうちゃんの畑で採れた無農薬ナスをたくさんいただいたのに、
とうちんとシシマイファミリーが旅に出てしまってからというもの、
食材の消費量ががくっと落ちてしまいましたからねぇ。
コタ:そうだね。また帰ってくる日に備えないとね
せい:だから、お日様の力を借りましょう。
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「ハーブの方は、スイートバジル、赤紫蘇、青紫蘇と、シソ科の植物ばかりになっちまったな。
ラベンダーは暑さにまけちゃったし、カモミールはアブラムシにまけちゃったしなぁ。
結局、日本の気候にはシソ科が一番合うのかもな」
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真夏の暑さの中でも、許生三(なぜか、ホジュンと読む)に休みなどなかった。
「冬に干し始めた陳皮、カビも生えずにいい感じだな。
西洋のハーブの考えでは、長く干すと香りがとんでしまうので良くないとされるんだけれど、東洋医学では、陳皮は古いほど薬効が高いといわれているんだ。
前にも書いたけれど、20年もの、25年ものなんてことになると、朝鮮人参並みの価格で取引されることもあるくらい、貴重品なんだ。
これからも、大切に干していかなくっちゃ」
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許生三:熊猫体実験では危険なくらい効き目があることを証明しました。
菜園を荒らすアブラムシにも、必ずや効くと信じています。
茶太郎:うん。ありがとうな。よじろうの犠牲のもとに完成した、秘密兵器。
唐辛子スプレーで、アブラムシたちを根こそぎ退治してやるぜ。
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許生三:水500ccから赤唐辛子8本を1時間煮詰めたんです。
さすがに、すばらしい効果ですね。
茶太郎:お、おい、よじろう!?
……気絶してるぞ!だ、大丈夫なのか?
許生三:すみません、よじろうさん。かなり辛かったんでしょうねぇ。
医学の進歩のためには、時に犠牲が必要なんです。
あなたの献身、この許生三、決してムダにしません!
あなたのおかげで、この世から一つ、病が消えていくのです!
茶太郎:なあ!?これ、熊猫体実験が必要だったのか?
許生三:えっ?
……あっ!アブラムシ退治の薬でしたっけ!!
茶太郎:これって、医療事故じゃないのか?
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許生三:よじろうさん、新しいハーブティーなんです。
身体を芯から温める効果があるんですよ。
今は夏場ですが、梅雨時の冷たい雨で、みんなの身体が冷えることもありそうですし、ちょっと試してみてくれませんか?
余次郎:いいよ。なんだ、色なんか普通のお茶と変わらないじゃないか。
なんだか、おいしそうだなぁ。
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許生三(くどいが、なぜかホジュンと読む)は、今、新しいハーブティーにチャレンジしている。これまで、まだ飲んだことのない、ハーブティーであった。
「毎日、いろんな薬剤を煎じてきた成果が、今試されているのだ。
分量に関する正確なレシピはないけれど、これまでの経験とカンを信じるんだ、生三!」
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チャタ:許生三(なぜか、ホジュンと読む)、お前に頼まれて育ててるジャーマンカモミールなんだけど、アブラムシの被害が深刻なんだ。
あまりにも数が多すぎて、とりきれなくてな。
隣りのスイートバジルや、ハーブ以外の野菜にも被害が出ているし。
自然成分の虫除けは、あまり効果がないみたいなんだ。
殺虫剤は使いたくないしなぁ。
なにかいい手段はないのかな?
許生三:そうですか、兄貴。
ハーブにはハーブ!
以前聞いた方法を試してみましょう!
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朝、6時。
許生三(忘れているだろうが、なぜか、ホジュンと読む)は、ハーブティの煎じにかかっていた。生三の朝はここから始まる。
「本当は、江戸川の源流まで行って、水汲みからしないといけないんだろうな。
その方が絵になるし。
うちは、パイウォーターの力をかりているから、楽なんだが。
楽する主人公なんて、受けないからな。世の中には。
土瓶が2つになって、仕事の効率も二倍になったぞ。
これで、朝の仕事がずいぶんと助かるぞ。
煮出した後の茶葉は、兄貴の肥料になっているしな。
って、兄貴が食べるわけじゃないんだが。
パペットアパートの住民の健康を守るのが、ボクの使命なのだ」
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今日はよく晴れたね。いい競馬日よりだ。
今日の大阪杯は、マツリダゴッホくんが有馬記念から久々に出走しますからね。
精一杯応援しないと。
その前に、ちゃんとお仕事を済ませましょう。
ハーブティは煮出したし、チンピとハーブはちゃんと干して。
よし。いいでしょう。
がんばれ、ゴッホ!
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久しぶりのお日様の光です!
チンピも大根葉も、干し始めてなかなかお日様が顔を出してくれる日がなくて心配していましたよ。
今日こそは、たっぷりお日様の光を浴びてくださいね。
う~ん。やっぱり、お日様の力って偉大だなぁ。
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同じ土瓶で、沸騰してから、左から5分・10分・15分・20分・30分とそれぞれ煮出したお茶です。
色は、やはり煮出し時間が長くなるほど濃くなるようですね。
味は・・・はっ!
20分を超えると、お茶の質がガラッと変わる気がします。
それまでのサラっとした感じが、急にとろっとした感じになるというか・・・。
茶葉がこなれてくるというか・・・。
20分と30分はそんなに差を感じないというか、劇的な変化はない気がしますね。
なるほど!このお茶葉、20分以上煮出すといいのですね。
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ハーブティの煎じ時間の謎を何としても解明しないと。
一番適した煮出しの時間はどのくらいなのだろう?
前にも実験はしたけれど、今一つちゃんとした結果がつかめなかったので、改めて実験です。
ちゃんと、時間以外を同じ条件にしないといけませんからね。
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昨日は、偶然だったかもしれませんからねぇ。
テンちゃん。今日も、ラベンダーティーを入れてみましょう。
どうでしたか?イライラせずに、ぐっすり眠れたでしょ?
そう言えば、ゆうべは外に出てケンカなんてしないで、
ずっと眠っていましたもんねぇ。
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あ、あれ?
テンちゃん・・・?寝ちゃってますねぇ。
ラベンダーって、こんなに即効性があるんですねぇ。
ボクもびっくりしました。
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テンちゃん。ラベンダーティーを入れてみましたよ。
夜、落ちついてぐっすり眠れると思うんです。
ほら、いい香りでしょ。気分も落ちつくでしょ。
イライラもうすれていきますよ。
あんまり、外に出てケンカしちゃダメですよ。
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許生三「あ~、びっくりした。
先生、びっくりしている間に西洋タンポポ茶、出来ましたよ。
お口直しにいかがですか?」
安光獅「ちょっと薄めだな。うん、これくらいがいいな。あっはっはっ」
許生三「硬い根っこのハーブだから、なかなか滲出しないんですよね。
西洋タンポポは、ダンデリオンとかダンディライオンとか呼ばれているんですよ。
先生にぴったりでしょ?」
安光獅「効能はわかっているのか?」
許生三「利尿効果が高く、胃を丈夫にし、消化不良や便秘の解消にも効果があります。
また、母乳の出をよくする働きもあり、発汗や解熱作用もあるため、風邪にも有効です」
安光獅「うむ。ただし、キク科アレルギーには注意が必要だし、胆のうや腸に障害がある場合は使ってはならない」
許生三「肝に銘じます」
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安光獅「う~ん」
許生三「せ、先生!しっかりしてください!
どうしました?鍼を打ちましょうか?」
安光獅「ちょ、ちょっときつかった。
頭がくらくらする。目の奥が重い……」
許生三「……それって、もしかして好転反応ってヤツですか?
急に強いハーブティーを飲んだときなどに、体調が好転する前に一時的に辛い症状が出るっていう……
でも、普段からハーブティーを飲みなれていれば、どうってことはないはずなんですけど。
先生、本当に医員ですか?」
安光獅「すまん、専門は湯液じゃなくって外科だから。設定上は」
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許生三「これです、先生。
その名も、シャア専用ハーブティー!
茶葉の量も、煎じた時間も、通常の3倍なんですよ!」
安光獅「おお、それじゃあ、9倍のゲインがあるんだな!」
許生三「もう、香りといい、味といい、ノーマルタイプと全く違うんです!
普段のがハーブティーなら、これはまさに湯液ですよ!」
安光獅「シャア専用ならば、これは俺の独壇場だな。あっはっはっ」
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許生三「どうです、安光獅先生。
西洋タンポポのお茶を入れてみました」
安光獅「なんだ、わざわざ買ってきたのか?
西洋タンポポなんて、日本でもどこにでも生えているじゃないか。
お前も損な買い物をしたな。あっはっはっ」
許生三「ちょっと抽出するのに時間がかかりますよね。
それまで別のお茶を入れましょうか?先生?」
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コタ「ホ医員、なかなかすてきなお茶セットだね」
許生三(なぜか、ホジュンと読む)「ガラス製の急須、欲しかったんですよね。
ほら、ハーブティーの抽出具合がよくわかるでしょ?」
コタ「これはなんのお茶なの?いい香りがするけど……」
許生三「ラベンダーなんですよ。
これを飲むと、リラックスしてよく眠れますよ」
コタ「そういえば、なんだかねむくなってきちったよ。
それじゃ、またね。お休み……」
許生三「あらら、お茶を飲む相手が……」
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「先に干し始めた生姜と、この間の牛蒡は、もう中まですっかり乾燥したぞ。
これをビンにつめれば、自家製ハーブの完成!
生姜はちょっぴりだけど、牛蒡は一瓶一杯になっちゃった。
いや、あの立派な一本分が、こんな小さな瓶に入っちゃうくらい、乾燥すると小さくなるんだな。
牛蒡は、他の西洋のハーブとも組み合わせられそうだし、これで楽しみが増えたぞ」
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「陳皮と生姜1:1の粉茶さじ1杯と、ジャーマンカモミール1杯でブレンドしてみたんだ。
ちょっと陳皮からでる油っぽい成分が気になるかな。
アツアツよりも、少しさましてから飲んだ方が飲みやすいし、味もいいみたいだ。
次は、これに牛蒡もブレンド……香りも味もちょっと怖いかも。
でも、一度は試さないとなぁ」
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「ミルサーってすごいなぁ。
あっという間に粉になっちゃったよ。
細かくなりすぎっていう感じもするけど。
まじめすぎるのが欠点なのかな?」
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許生三(なぜか、ホジュンと読む)の実験の日々は続く。
「今日は、ブレンドティーに挑戦だ!
陳皮と生姜は相性がいいのかな?
牛蒡も混ぜてみたいけれど、まずは一つずつ試してみよう」
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「生姜一さじ半に水1.5リットル、弱火にしてからさらに10分煎じて、生姜湯のできあがりだ!
これでも、ちょっと薄かったかな?もっと濃くてもいいのか?
ピリっとして、身体が温まるなぁ。
レモンや蜂蜜とも合いそうだな。
風邪を防ぐにはもってこいのハーブティーだ。
他にも、吐き気を抑えたり、食欲を促したり、消化を助けたりと、いろいろな効果が期待できるんだ。
これはぜひ、みんなにも飲ませて上げなきゃ。」
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この日も許生三(なぜか、ホジュンと読む)は和の素材によるハーブティー作りに挑んでいた。
「漢方では、様々な生薬と組み合わせて使うんだけれど、今日はシングルブレンドのハーブティーにチャレンジしよう。
先に干しておいた生姜は、からからに乾いていい感じになってるな。
これなら、かえって手の方が、安全に、簡単に細かく砕けそうだな」
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「さらに時間が経ったら、濃いブルーに変化したぞ。
これは、牛蒡を切ると黒く変色するのと同じ原理だな。
牛蒡に含まれているポリフェノールの色素成分が、酸化してタンニン鉄に変化するから色が変わるらしいんだ。
……っていうことは、牛蒡茶って、鉄分を含んでいるんだな。
タンニン鉄は、身体には吸収しにくいっていうけれど、タンニン鉄に変化しない鉄はどれくらいあるのかな?
気にするほど多いなら、牛蒡茶は入れたてを早めに飲んだほうがいいのかな?」
こうして、生三の疑問はまた増えるのであった。
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「煮出したら、ふやけて大きくなってる。
元のサイズに比べれば小さいけど。
こうしてみると、生姜にしても、牛蒡にしても、本当に大半が水分なんだな」
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「茶さじおよそ1杯分の牛蒡に、水1リットルを加えて、沸騰後、さらに弱火で10分煎じれば、牛蒡茶の出来上がりだ!
ポットに移す前はきれいな黄色い色をしていたのに、いつの間にかグリーンにかわっているな。
牛蒡を食用として食べる習慣のない西洋では、バードックルートと言ってハーブの一つとして使われてきた歴史があるんだ。
身体に溜まった老廃物や毒素を排出するデトックス効果があると言われているんだ。
抗菌、発汗、利尿作用もあって、風邪の予防にも役立つんだ。
シングルブレンドでもおいしいし、いかにも牛蒡らしい土の香りもして、なかなか面白いハーブティーになったぞ」
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「自家製だと、その時々に必要な分だけ用意できるのが便利だな。
刻む、というより、砕くという感じかな。
すっかりカチカチで、中のほうまで見事に乾いている。
まだ5日目だっていうのに、お日様は偉大だ」
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こたたまにっきへの掲載がないからといって、許生三(なぜか、ホジュンと読む)がさぼっていたわけではない。
陳皮、生姜、牛蒡を、晴れては干し、曇っては取り込む日々は続いていた。
「生姜はちょっと厚めすぎたかもしれないな。
まだ中の方に水分が残っているようだ。
牛蒡はすっかり水分が抜けたみたいだな。
あの立派な牛蒡が、すっかり萎びて、縮んじゃったな。
どんなハーブティーになるか、一つ試してみよう!」
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「こちらは干し始めてから四日目になる生姜だけれど、こんなに縮んじゃったぜ。
生姜って、ほとんどが水分なんだな。
あと2、3日晴れの日があれば、十分乾燥させられそうだな」
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「せっかく新しい素材を切ったのに、今日は曇り空か。
とはいえ、買ってきたばかりの素材だから、こればっかりは仕方ないか。
早く天気が回復するといいけれど、今夜は雨になる上、春一番も吹いて大荒れになるみたいだな。
早めに取り込むことにしよう」
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「牛蒡を乾燥させるには、どんな風に切ったらいいのかな?
とりあえず、いろんな切り方をして、どうしたらよく乾燥させられるのか研究してみよう。
牛蒡には、空気に触れることで増えるリグニンという物質があって、このリグニンには癌を防ぐ効能があるんだ。
ということは、できるだけ空気に多く触れるような切り方がいいんだろうな。
早く乾くし。
生姜は、あんなに縮むと思わなかったから、今回はちょっと大きめに切ってみよう」
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「生姜も牛蒡も、土がついたままだから、きれいに洗わなくちゃ。
いい香りだな。土の香りなんて、久しく忘れていたな。
生姜は皮がついたままだな。
『東医宝鑑』によれば、生姜は『性は温だが、皮は寒。だから熱くして使うときは皮は捨て、冷やして使うときは皮はそのままにして使う」とあるんだ。
へええ、反胃を治す聖薬ってことは、癌に効くってことだよな?
すごいな、生姜。
そうすると、ハーブティーに使うには、皮はとったほうがいいのかもしれないけど、今回はこのまま切って乾燥させてみよう」
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陳皮に飽き足らなくなった許生三(なぜか、ホジュンと読む)。
新たなるチャレンジが始まろうとしていた。
「なあちんが、有機栽培の生姜と牛蒡を手に入れてくれたんだ。
生姜はもちろん、漢方でも生姜(しょうきょう)と呼ばれる、必要不可欠な生薬だ。
牛蒡は、種を悪実といって漢方の生薬にあるんだ。
根は日ノ本では食用に使われているけれど、西洋では食べる習慣はないんだ。
第二次世界大戦時に、捕虜の栄養不足を気の毒に思った日本兵が、米英兵に牛蒡を食べさせたのが、後に無理やり根っこを食べさせたってことで戦犯にされて、無期懲役の判決を受けたなんて話もあるくらいだからな。
だけど、静養でもバードックルートといって、ハーブとして使われているんだ。
この二つを乾燥させて、ハーブにしてみよう。
何事も、チャレンジだ!」
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「沸騰してからちょっと長めに10分間煮出したものを、氷で割ってみたんだ。
アイスハーブティーだな。
アツアツのものよりも、味もいいし、香りもいい。
ただ、冬場だと冷たいのはちょっと辛いな。
夏用のレシピかな。
ここまで冷やさなくても、ちょっとぬるめになればおいしく飲めるから、冬場はホットでいけるな」
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今日も厨房には、新しいハーブティーレシピを研究する許生三(なぜか、ホジュンと読む)の姿があった。
「陳皮とジャーマンカモミールの組み合わせは上手くいったから、これを発展させてみよう。
やっぱり健胃、鎮静作用のあるターメリック、まあウコンのことだな。
同じような効果があるものだから、もしかしたら相性がいいかもしれない」
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「じゃじゃ~ん!
これが今回の秘密兵器だ!一階の住人が俺のために買ってくれたんだ。
風に飛ばされる心配もないし、日も良く当たるし、風通しもいいし、取り込みも簡単だし、便利なことこの上ないだろ。
明日は夜から雨になるみたいだから、今日と明日の昼はできるだけお日様に当てなきゃ」
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陳皮作りが順調な許生三(なぜか、ホジュンと読む)。
調子に乗った彼は、新しい素材にチャレンジしようとしていた。
「天気もいいから、生姜を干してみよう。
生姜は、漢方ではショウキョウといって生薬の一つなんだ。
東医宝鑑の湯液篇、菜部122種の一番目に登場するくらい代表的な生薬で、葛根湯、香蘇散をはじめ、実にさまざまな処方に用いられているんだ。
ハーブティーにも利用できそうだな。
古来、漢方では、蒸してから干すものと、蒸さずに干すものとで区別されるんだけれど、今回は蒸さずにそのまま天日で干してみよう」
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「あれ?小太郎のしょうが湯?
なんだ、身近なところに漢方の先輩がいたんじゃないか。
今度、生薬の作り方とか教わらなきゃ」
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この日、許生三(なぜか、ホジュンと読む)の姿が二十世紀が丘にあった。
ここの地名は、あの鳥取県の名産、二十世紀梨の元になった苗木がゴミ捨て場に捨てられていたことで名づけられた。
マツド市民の子供であれば、だれでも知っていることである。
もちろん、許生三の目的は、梨ではない。
「ちゃんとした漢方薬局を見てみたくなったんだ。
どんな生薬が置いてあるのか、どんな道具があるのか、品揃えを見るだけでも勉強になりそうだぞ。
薬研があったら買って帰りたいけど、ここにはないかな?
まあ、行ってみよう!」
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「できた!いい香りだ。
うん、この組み合わせはいいみたいだ!
陳皮にもカモミールにも、胃を丈夫にする作用があるし、またどちらにも鎮静作用、つまり気持ちを落ち着けてリラックスさせる力があるんだ。
アツアツの状態よりも少し冷ました方が、香りも味もより楽しめるみたいだな。
これは基本的なレシピとして使えそうだぞ!」
少しだけ立派に見える今日の許生三であった。
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「陳皮、こんなにきれいな粉末になったぞ。
これに、西洋の代表的なハーブ、ジャーマンカモミールを1:1で加えてみよう。
ジャーマンカモミールとオレンジピール、つまりオレンジの皮のことだけど、を一緒に使うハーブティーのレシピって結構あるみたいなんだ。
もしかしたら、陳皮とも相性がいいかもしれない」
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その夜、再び陳皮のブレンド茶に挑戦する許生三の姿があった。
「薬研が手に入らなかった代わりに、こんなものが出てきたんだ。
ボタンを押すだけで、電気の力で陳皮を細かくすることができるんだ。
皮が十分に硬くなっていないせいか、それとも硬すぎるのか、すり鉢だと今ひとつ粉末状にできなかったから、これで大助かりだ」
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「どうだ!
左から5分、7分、10分で煮出してみたんだ!
ちゃんと順番に濃くなっているぞ!」
……だから、それは当たり前の結果ではないのか?
許生三(なぜか、ホジュンと読む)よ?
まあ、ようやく目分量で計るハーブの量が安定してきたということだろうか?
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「三度目のチャレンジで、ようやく妥当な結果が出たぞ。
左から沸騰してから弱火で3分間、5分間、7分間、7分間煮出したあと10分置いたものなのだ。
そうそう、こういう結果になるはずなんだ。
よかったぁ。やっぱり煮出す時間と湯液の濃さは比例するんだ」
……今まで比例しなかったことが問題なのではないのか?
許生三(なぜかホジュンと読む)よ?
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夜は陳皮を使った新作ハーブティーにチャレンジした生三であった。
和のハーブ同士の相性を信じて、陳皮5グラムと緑茶2グラムを、水1.5リットルから沸騰して5分間、弱火で煮出してみたのであったが……
「まずいとまではいわないけど、びみょ~んな味になっちゃった。
なんだか、バターを飲んでいるみたいだ。
陳皮の油成分が溶け出したせいかな?
どうしよう、これ1.5リットルもあるんだよな。
自分で飲むしかないのか……」
失敗しても全部飲む生三は、男である。
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「……今日も沸騰してから5分間煮出した真ん中のが一番濃くなった。
なぜだろう?なぜ一番右の7分間より濃くなるんだろう?
ブレンドハーブだから、たまたま茶さじで取った分のハーブの割合が違ったのかな?」
生三のアマチュアな悩みは続く。
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「秤を変えてみよう。えっと、茶さじ2杯分の重さは……計測不能?
あっ、これも5グラム単位の秤じゃないのよ。だめだめじゃん」
……ダメダメである。
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許生三(なぜか、ホジュンと読む)は、今日も朝から湯液の作り方を研究していた。
「昨日は生薬の分量が不正確だったのかもしれない。
ちゃんと測ってみよう」
……普通はちゃんと測るものである。
「えっと、茶さじ一杯分はっと……計測不能?
だめだめじゃん。5グラム単位の秤じゃ役に立たないのか」
……当然である。
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許生三(なぜか、ホジュンと読む)の仕事は陳皮作りだけではなかった。
今日は、ハーブティーの煎じ方を研究していた。
同じハーブでも、煮出す時間による変化を調べてみようとした生三であったが……
「な、なぜだ?
左から3分、5分、7分と沸騰してから弱火で煎じる時間を長くしてみたんだけれど、なぜか5分のが一番濃く煮出せているみたいなんだよな。
なんでこんなことになるんだろう?
火を止めてからの時間経過が違ったからかな?」
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一応、できあがった陳皮。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)は陳皮をおいしくいただくための研究を続けていた。
「水1.5リットル、陳皮1:生姜1:ウコン1/2で沸騰後、弱火で7分間煎じて見たんだけれど、今ひとつ味がつかないな。
これじゃ、薄味のお湯だな。
生薬の量が少ないのか、煮出す時間が少ないのか……
はちみつを入れてもイマイチだし、まだ工夫が必要だな」
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粉にはなりきらなかったが、細かく砕いた陳皮を煎じること十数分。
ついにそれは完成した。
「みなさん、出来ました。陳皮茶です。
きれいなミカン色になりましたよ。
味はちょっと薄いけれど、いい香りがするでしょ?
陳皮は、胃を健康にしたり、アレルギーによいとされているんです。
これから、煎じる時間を調整したり、量を変えたり、他のものとブレンドしたりして、いろいろと研究していきますよ!
さあ、みんな、ぜひ飲んでみてくださいね」
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しかし、安光獅はあっけなくダウンした。
「ぜえぜえ。お、お前……擂鉢洗ったな?」
「ええ。買ってきたばかりだったので、しっかり洗いました。
これ以上ないくらい」
「ちゃんと乾かしたんだろうな?」
「えっ?ちゃんと拭きましたけど……でも、乾ききってなかったかも」
「ばかもん。擂粉木も乾ききっていないじゃないか。
これでは、せっかくの陳皮が湿ってしまうだろうが」
「あっ!そうか、なるほど。奥が深い!」
「初歩の初歩だ。
で、何に使うつもりなんだ?」
「ハーブティーにするつもりなんですが……」
「それなら、粉末にまでならなくても大丈夫だろう。多分」
「……本当に高名なお医者さんなのですか?」
「外科が専門だからな。設定は」
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さっそく、擂鉢・擂粉木を用意した許生三。
一掴みの陳皮を擂り始めたのだが……
「う、うまくいかない。
細かい粉状にならないじゃないか。
なにがいけないんだろう?」
そこに通りかかった一柱の獅子がいた。
奇獅子としも、外科の達人としても知られる、安光獅その獅子である。
「ふん、薬研はないのか?素人だな。
お前、擂鉢を使うのも初めてだろう?
なってないな。もっと腰を使うんだ。腰を。
えっ?外科の達人がなんで擂鉢の指導をするのかって?
細かいことは気にするな。
ほら、手本を見せてやるから貸してみろ。
そもそも、一度にたくさん陳皮を入れすぎなんだ。
こういうときは、少しずつやるものだぞ。
あっはっはっはっ」
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許生三(しつこいようだが、なぜかホジュンと読む)が陳皮を作り始めて、今日で15日目。
ついにその日が来た。
「天気の悪い日が続いたから、もう少しっていう気もするけれど、ためしに使ってみよう。
ハーブティーにするだけだから、ほんの一欠けらでいいかな。
使わない分は、また干しておこう。
やっぱり、パウダー状にしたほうがいいのかな?
擂鉢と擂粉木を買って来なくちゃ」
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そんなこんなで、陳皮作りも14日目。
ベランダの景観も、なかなか見事なものになってきていた。
「今日は風もやんで、穏やかないい天気だな。
漢方の生薬は、原則は新鮮なものがよいとされるけれど、六陣と呼ばれるものは例外で、古くなればなるほどよいとされているんだ。陳皮もその一つなんだ。
20年ものとか、25年ものの陳皮なんてのもあるらしくて、朝鮮人参以上の取引価格になるらしいし。
ただ、古くなると香りが弱くなっていくので、香りを楽しみたい場合は新しい方がいいみたいだし、最近の漢方の研究では新しい方がいいとする場合もあるみたいだ。
ハーブの本では、乾燥の目安を10日ほどとしているものもあるけれど、天気の悪い日が続いたから、もう少し様子を見たほうがいいのかな?」
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許生三(なぜか、ホジュンと読む)の陳皮作りは、巷でちょっと知られるようになっていた。
そんなある日……
「えっ?みかんの皮が出たからくれるの?
ありがとう!
でも、ボクも中身が食べたかったなぁ。
えっ?もうない?皮だけ?
これ以上おねだりすると、師匠に怒られるし……」
修行の道は厳しいのであった。
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陳皮作り13日目の朝を迎えた。
今日は日の光がまぶしい。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)は思案していた。
「きれいに晴れたけれど、風が強いな。
これだと、広げて乾燥させると、飛んで行ってしまうかな?
今日はこのままつるしておこう。
太陽に当たると、一日であっという間に変化するから、明日が楽しみだな」
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「な、なぜだ?
完璧なてるてる坊主だったのに……」
外は土砂降りの上、強風で大荒れであった。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)の絵のせいかどうかはわからない。
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そして、心やさしい許生三は、猫たちの健康にも気を配るのであった。
「どうだ、うまいか?
煮出したハーブの葉を猫缶に混ぜてあるんだぞ。
ハーブの種類にもよるけれど、人間以外の生き物にもちゃんと効能があるんだ。
お前もこれを食べて、早く元気に……十分元気か。
まあ、病気にならずにテンと仲良く……元気になりすぎると逆に危険か?」
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陳皮作りの一方で、今日もハーブを煮出す許生三であった。
「沸騰したら弱火に切り替えてっと。
炭火や薪の時代は、火加減が難しかっただろうな。
昔の人々は偉大だなぁ」
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「初日から干している細かい皮は、除湿機にかけよう。
新聞紙の一面で、全部広げられるようになったな。
水分がとんで、皮が縮んだんだな。
重さもずいぶん軽くなってきているし、あと一歩だな」
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陳皮作り11日目。
今日は朝から曇天だ。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)の心も曇りがちだった。
「どうせなら、昨日の電気工事のときに曇ってくれればいいのに、上手くいかないものだな。
雨になりそうな気配があるし、これは外に干しておくのは危険かもしれないな」
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陳皮作り10日目。
今日も許生三(なぜか、ホジュンと読む)は新しい皮を増やしていた。
天気も良く、一見順調そうだったが、今日の生三にはちょっと気がかりなことがあった。
「お師匠さま(柳茶太)の話では、今日は電気工事がベランダにも入るそうなんだよな。
工事の邪魔になるから、最初から作ってきた皮を、いつものように広げて天日干しにできないんだ。
香港式の方はこのままつるしておけるからいいんだけど。
ちょっとお休みだけれど、仕方ないな」
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陳皮作りは9日目に入っていた。
今日も朝からまぶしい光が降り注いでいる。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)も心も晴れやかだった。
「ここにきて、急に順調になったな。
これも、毎日いい天気のおかげだな。
今日も新しい皮が増えたけれど、最初から晴れているから楽しみだ。
週末に、また天気が崩れるみたいだから、今のうちにお日様の光をたくさん浴びてくれよ」
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陳皮作り8日目。
ようやく、冬らしい晴れた日が続くようになった。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)は、今日も朝から仕事に励んでいた。
「今日もいい天気だ。
たった一日、日に当たっただけなのに、あっというまに皮が硬くなっちゃった。
太陽の力は偉大なんだな。
見た目の大きさも水分が抜けた分小さくなったし、それにとても軽くなってきた。
もしかしたら、天気と作り始めるタイミングって、重要なのかもしれないな」
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そして、7日目の朝が来た。
「やった!今日こそは快晴だ!
これで、ようやく天日で干すことができるぞ!
天気予報も、一日中晴れマークだ!
これまで、なんとなく湿気が抜けきらなかったけれど、今日一日でどれだけ変わるかな?」
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しかし、わずか2時間後……
「がっちょ~~ん。土砂降りになってる!
早目に気がついてよかった。
すぐに取り込まなくっちゃ。
あ~、いつになったらお日様の恵を存分に受けられるんだろう?
ひょっとして、俺って雨男なのか?」
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「よい薬作りに、天の恵みは欠かせないんだ。
朝の陽の気を取り込んで、いい生薬になってくれよ。
おっ、テンも日向ぼっこか。
やっぱり、太陽はいいなあ」
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陳皮作りをはじめて6日目の朝、ついに薄曇の東の空から、かすかに日の光が差し込んできた。
許生三(なぜか、ホジュンと読む)にとって、一週間ぶりに見る太陽であった。
「やっと、やっと日が差したか。
これほど太陽がありがたいと思ったことはない。
これで、乾燥が進んでくれればいいけれど」
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陳皮を作り始めて5日目の朝が来た。
しかし、今日も許生三(なぜか、ホジュンと読む)は天候に恵まれていない。
「今朝も雨か……
午後には上がりそうだが、薬草取りもあるし……
仕方ない、今日は留守にしている客人の部屋で、除湿機をかけながら乾かそう。
ずっと袋に重ねっぱなしだと、カビが生えそうだしなぁ」
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「香港では、凧糸を上手く使って、みかんの皮を干しているらしいんだ。
たしかに、これなら狭い空間を上手く利用して、たくさんの陳皮を作れそうだな。
単純だけど、すばらしいアイディアだな」
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「仕方ない。エアコンの下に干すか。
外より部屋の中の方が乾燥しているし。
それにしても、エアコンのない時代は、雨続きの日はどうしていたのかな?」
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陳皮つくりは四日目に入った。
しかし、許生三(なぜか、ホジュンと読む)はいらだっていた。
ここまで、一日も太陽が姿をあらわさないのだ。
まるで、日が照ることを忘れてしまったかのように。
「おまけに、今日は霧雨か。
これじゃあ、外に干すのは湿気させるようなものだな。
どうしよう?」
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朝、起きると、許生三(なぜか、ホジュンと読む)の最初の仕事は陳皮を風通しの良い二階のベランダへ干すのが日課となっていた。
「今日も曇り空か。
どうも、雨になりそうな雰囲気だな。
せっかく陳皮作りをはじめたのに、まだ一日もお日様の光に当たっていないんだ。
早く、良い天気になってくれればいいのに……」
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今日も、許生三(なぜか、ホジュンと読む)は陳皮作りに取り組んでいた。
「今日も新しいみかんの皮が増えたぞ。
一日干したものは、やはり見た目も違ってきているな。
まだまだ、はじまったばかりだから、がんばろう!」
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「昼の間はこうして広げて干してあげよう。
夜になると、気がつかない天気の変化もあるかもしれないから、またまとめてつるしておこう。
ちょっと手間だけれど、その手間を惜しんではいけないんだ。
手間と愛情が、いい生薬を作る秘訣なんだ」
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その日、許生三(なぜか、ホジュンと読む)は、陳皮作りに挑んでいた。
「陳皮は、温州みかんの皮を風通しの良いところで10日ほど干してつくるんだ。
陳の字には古いという意味があって、古いほどよいとされるけれど、古くなると香りの成分が飛んでしまうから、香りを楽しみたいとかとか、用途によって使用時期は選んだ方がいいんだ。
ベランダにつるしておけば、簡単にできると思ったんだけど、甘かったな。
このやり方だと、内側の水分が乾燥しないんだな。
やはり、手間隙を惜しんではいい生薬はできないんだな」
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許生三(なぜか、ホジュンとよむ)の薬草熊猫体実験の日々は続いていた。
「レッドクローバーを煎じると、こんな感じになるのか。
アカツメクサなんて、日本のどこにでもある植物だけれど、江戸時代にヨーロッパから入ってきた帰化植物なんだ。
元は牧草として輸入されたとも、梱包用のクッションとして使われていたものが野生化したともいわれているんだ。
イソフラボンが含まれているので、更年期障害の改善に使えるし、血液の浄化作用もあるんだ。
日本でもこれだけ繁殖している植物だから、きっと日本人の体にも合うんじゃないかな?」
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そして、2煎目、3煎目が終った。
生三の前には濃い金色に染まった1リットルの湯液ができていた。
「よし、完成だ!
これを、毎食前に30ccずつ、患者に飲ませるのだ。
これで約10日分ってところだな」
一つの仕事を成し遂げた生三の瞳は輝いていた。
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刻んだ霊芝を使ったニ煎目がはじまった。
「いよいよ二煎目だな。
1センチの厚さに刻んだ霊芝に、πウォーター400ccを加えて、また沸騰するのを待つんだ。
今度も火加減が大切だぞ。
気を抜くなよ、生三」
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すぐさま、許生三は二煎目の準備に取りかかったのであった。
「次は霊芝を1センチほどの厚さに刻んで使うんだ。
けれど、これは思った以上の重労働だな」
一度煎じたことにより、多少は柔らかくなったとはいえ、天然の霊芝はまだかなりの硬さを保っていた。
これを細かく刻むのは、体の小さな生三にはかなり辛い作業といえた。
しかし、師匠からの信頼にこたえるべく、生三は力の限り働くのであった。
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そして、一煎目の湯液ができあがった。
それはまだ、薄く、しかし金色の輝きを放っていた。
「よし、まずまずだな。
けれど、まだ道半ばにも達していないのだ。
ここからが勝負だぞ」
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「今はキッチンタイマーがあるから便利だな。
便利なものはどんどん使うのだ。
あと少しで3分だな。
でも、本当はきっちり3分煮出すより、湯液の状態を確かめながら煎じることが大切なんだ。
一秒一秒が勝負なのだ」
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「最初は、霊芝をそのまま土瓶に入れ、400ccのπウォーターを加えて、沸騰するのを待つんだ。
火加減が重要だから、煎じ終えるまで、この場を離れるわけにはいかんぞ」
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その日、許生三(なぜか、ホジュンとよむ)は師匠の柳茶太から呼び出された。
はじめて柳茶太直々に、特別な湯液を煎じるように命じられたのだ。
そして、いま、生三の前にはまさに天然物の霊芝があった。
霊芝は古来より難病への薬効の高い稀少なものだが、自生のものを採取することは極めて難しい。
各地で慈善活動を行っている、ナナミの縁で、愛媛の山奥の樹齢百数十年の梅の樹に自生していた、稀少な天然の霊芝が今、生三の目の前に置かれていた。
おそらく、このような霊芝には、生涯再び出会えることはないだろう。
生三は、震えていた。
はじめてみる天然の霊芝に、そして、師匠からの厚い信頼に。
「日本ではめったに見つからない、本当の天然物の霊芝だ。
どんな湯液でも、心をこめて煎じるのは当然のことだが、しかし、それでもこれは心してかからねばなるまい」
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「できた薬湯は、自分の体で試すのだ。
おっ。いい香りだな。
肌が少しぴりぴりするかな?
うん、あったまるな。
これが毒だったら、再開一日目にして最終回だな」
もちろん、セージが毒のはずもなく、免疫力が高まった許生三は、薬草係の仕事に励むのだった。
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「生薬の種類によって、煎じ方も違うはずなのだ。
ただ、セージは初めてで性質がわからないな。
まずは定石どおり、水からはじめて、沸いたら弱火にして、3分で止めてみよう」
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柳茶太の厳しい指導のもとで、許生三(なぜか、ホジュンと読む)の修行の日々は続いていた。
「今日はセージを煎じてみよう。
お師匠様の話だと、薬を煎じる水の種類だけでも33種類もあるらしい。
水の第一番は、井華水といって、その性質は平らで、味は甘く、毒がない。
ここには井華水はないけれど、性質の近いπウォーターがあるから使ってみよう」
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許生三(なぜか、ホジュンと読む)が薬材倉庫の全容を知ったのは、倉庫係を任されてから三月は経った頃だった。
数百種類の薬材一つ一つを覚えるのは、容易ならざることであった。
また、薬材倉庫を任されたとはいえ、昼は畑に出て薬草盗り……じゃない、採り、夜は採ってきた薬材の管理と、祭りに行く暇もなかった。
「ワケギは食材の分類では辛温、すなわち辛くて体を温める食べ物に分類される。
辛い食べ物は肺臓、大腸、鼻、皮毛に薬効があるのか……」
許生三は、祭りの合間の暇つぶしにはじめた医業という深遠なる道に、少しずつのめりこんでいく自分を感じていた。
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「はじめての畑行だ。こちらが望む確かな食材が見つかるという保証はない。
しかし、たとえワケギ一本でも、見つけたならば、あたかも朝鮮人参を見つけたかのように、こうして細かい毛根まで、丹念に掘るべきなのだ」
「あの、お師匠さま……」
「ふん、もっともお前のこの誠意がいつまで続くかは、わしの知ったことではないがな」
「いえ、そうではなく……食材ではなく、薬材では?」
「えっ?薬材?……あ、あれ?チャングムじゃなかったっけ?」
「ホジュンですっ、ホジュン!」
「そ、そうだっけ?まあいい。明日から薬材倉庫を担当するように」
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